もくじ

 クリックしていただくと、その部分に「とう!」ってとびます(笑)

 6・「お香の日」のゆえん
       「○●の日、というのは結構存在します。お香もしかり!『香』の字を分解してみると・・・?」 

 7・お香のちから〜1〜
       「香りの力というものは、古来からすさまじきものと思われていたようです」

 8・お香のちから〜2〜
       「あ、あの有名なお菓子の材料が、お香・・・?」 
       
 9・想像上のお香
       「少し休憩いたしましょう♪ 死者をけむりの中にみることができたという、そんなお香があります」

 10・お香のちから〜3〜
       「お香に関する記述で、世界的にみても初めてといわれているものです」
 
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 6・「お香の日」のゆえん  お香は昔から日本にありました。  お香の材料も、もちろん、手に入れられるものです。そうでないと作れませんもの。  でも、驚かないでください。  お香の材料、というか香木(沈香や白檀)は、日本では産出されません!  インドなど東南アジア、そして、いかにも産出されてそうな中国でも、南部のみだそう。  仕入れる方法は、輸入のみ。本当に貴重なのです。  例外として「杉線香」があります。国内で原料がとれます。  杉の葉・実を粉末にしてのりで固め、煙が多く安いというものです。  お墓でよく見かけるものです。  でもこれは、今言っている「お香」、すなわち「香木」ではありません。  本当に、日本でとれるものは少ないのです(皆無ではないです)。  では、いつお香が日本に伝来したのか?  ここまで読んで、あなたの頭にはこの疑問がきっとあることと思います。  この疑問に答えてくれるのは、「日本書記」です。  日本にお香が初めて来たとき、と本などに書かれていると、どれも例外なくこの日本書記をだしてきます(笑)  そこには、だいたいこんな感じの記述があります。  「推古天皇3年、西暦でいうと595年の4月に、淡路島に沈香(沈水)の木片が流れ着きました。   パッと見た感じは単なる木片なので、島の人々は深く考えずに、薪と一緒に火にくべました。   すると、この世のものとは思えないほどに芳しい香りがして、驚いた人々は、この木片を朝廷に献上しました。」  すいません、古文苦手なものですから、いろんな本の解説だけ拾い読みして自分なりにまとめてみました(汗)  偶然、島に流れ着いた沈香というのが、「日本初の香」だったのです。    世界でもきっと、こんな偶然から、さまざまな香木などの存在を知り、アロマ、インセンス、フレグランスにつながったのでしょうねぇ・・・。  インドとか、そういう香りの材料おおすぎるから、「これは香木」とわかってさえも、薪といっしょに火にくべていたそうですし。  で、日本にやってきたお香ですが。  あんまりいい香りすぎて、お茶とともに仏前に供えられ、お香も仏様へのお供え物とされたそうです。    お香は世界的にみても古代では特に大切にされています。  イエス誕生の時、3人の博士が乳香・没薬(もつやく。お香でもあり薬でもありました)・黄金を捧げたという旧約聖書の記述があります。  黄金と、お香が同等の価値とみなされていたのです。  お香には実際の薬効だってありますからね。「香薬」と呼ばれていたそうです。  ちなみに、乳香・没薬・黄金で、「神・生命・この世の権力」を現すそうです。  神と生命を表す、お香・・・うわぁ・・・。    雨乞いなど、大きな儀式などで焚いたそうです。  貴重な、それも異国からやってきた香木は、本当に大切な時に、守護を求める意味で焚かれました。  ケムリの中に、一体彼らは何をみたのでしょうね?神秘的な何かを、どんな気持ちでみたのでしょうか?  ちなみに、なぎの場合はケムリの中に幸せをみます(笑)  奈良の正倉院にも、たくさんのお香があります。  ちなみに、この木片を見た聖徳太子。  博識な彼は、すぐにこの木片の正体を見抜いたそうです。  欽明天皇13年、すなわち552年に仏教が伝来していましたし、仏教の普及につとめた彼です。 日本では産出しないはずの沈香を知っていたとしても矛盾はありません。  (それにしたって一発で見抜いたっていうのはすごいけど)  それに・・・  仏教伝来は552年、と書きましたが、4世紀にはすでに百済に伝わっていた仏教です。  何か口コミみたいな感じでそれ以前にすでに日本に伝わっていたとしても不思議はありません。  物的証拠もきっちり存在しています。  その物的証拠ですが、当時はすでに廃寺(はいじ、と読みます。よろれ〜い〜ひ〜(笑))となっていたお寺も含めて、香炉があった形跡がたくさんあります。  お香を仏様へのお供え物としていたのです。  そして仏教とはきってもきれないお香。595年に淡路島にくる以前に、日本に伝わっていてもやっぱり不思議ではありませんね。  不思議がないどころか、絶対そうに違いないという根拠のない確信のようなもんをどうしてももってしまいます。   その確信、正しく言えば推測に従えば、この沈香も「日本初」ではないのですが(笑)     ところで、今回のコラムのタイトルにもなっている、「お香の日」ですが、いったい何月何日でしょうか?  さて、謎解きのはじまりです!  まず、「香」の字を分解してみましょう。  手元にメモはありますか?かんたんに分解してみてください。     香→一、十、八、日    こうなったと思います。  これで、18日を指します。    そして、最初に書きましたが、日本初(文書の上では)のお香は、何月に淡路島に流れ着きましたか?  もうお気づきでしょうか。  お香の日は、4月18日です。  これからはカレンダーをめくって、4月18日のところにハナマルつけましょう。  そして、「お香の日!」と、赤ペンで書きましょう(笑)  ちなみに、この「お香の日」は、ネットで検索すればいやでも見つかります。  日本書記のお話だって、見つかります。  なので今回はちょっと気合い入れて本で調べました。  似通った内容を避けたかったのです。  すると、思わぬ利益もありました。  香の種類、前出の香のかたちの歴史、平安時代に実際にあったとされる食べるお香の話などなど・・・  さまざまなお話を仕入れることができました!  ガンガン書いていきます。もう・・・語ること大好き!!    とりあえず次回は、今回書いた「日本初のお香」から考えて、「お香の伝来」、お香を語るにはまず最初に説明しておきたい、「香木の種類」について語ろうと思います。  もくじにもどる  トップページにもどる 7・お香のちから〜1〜  では、意外な人物(と、なぎは思います)鑑真和上の登場です。  失明してからはニオイで「そこに何があるか」を判断したという彼。  ハナもとっても良かったんです。  だからでしょうか?彼はお香についても知識が長けていたそうです。    2度目の渡航準備のとき、数十種類ものたくさんのお香(香木)を準備していたようです。  3度目の準備の記録はないようですが、それでもたくさんのお香を準備した形跡があるようです。  お香なんて、当時では本当に高価なものです。それをそんなにたくさん準備してくださいったのです!  お薬などを伝えてくれた彼は、やっぱり薬効のあるお香も伝える必要があると、一生懸命だったようです。  彼がいなければ、お香の発展は遅れていたかもしれません。  鑑真和上バンザイ!!   ・・・白状します。  今回なぎは、鑑真和上についてはあんまり調べていません。  それ以上に、伝わってきた香木(お香)の種類やら効能のほうを調べているので、そちらを書きます。  まず、日本の香りといえばこれ!というぐらいに代表的な香木、  沈香。  これから書いていきましょう。  「うそ?そんなに有名なの?私は知らないよ・・・」という方もおられるでしょう。  ただ、それは香木の名前を知らないだけ。きっと、香りは知っているはずです!  で、よく読みを間違えられやすいようですが、「じんこう」です。お気をつけて!    とにかく、お上品で落ち着いていて、この香りをかいでいると本当に幸せ〜な気持になれるという方がとっても多い、そんな香りです。  香木というものは、それそのものが芳しい香りというものはあまりありません。  この沈香もそうです。  どうです?意外ではないですか?  なぎは、ものっすごい驚きました・・・  木がもともと持っている樹脂が木質に沈着し(あぁぁ難しい言葉連発してるぅ)、香りをはなつようになったものです。  水より重くて、水に浮かべると沈むから「沈香」なのですが、それは、樹脂が沈着しているためです。  ちなみに水に浮くものに「桟香」があります。沈香よりも樹脂が少ないので水に浮くわけですが、これももちろん沈香の一種です!  ただ、高級砂糖をたくさん使うか、ちょっと使うかの違いがでるケーキのごとく、これも沈香とくらべるとちょっと価値がおちます。    さらに難しいことには、この沈香になることが出来る木はおもに「アキラリア属」「ゴノスチラス属」という常緑高木だそうです。  が、これらすべてが沈香に昇進できるかというと、そうではないのです。  幹、枝についたキズ、微生物などによる病害の部分にしみでた樹脂が木質に沈着してから、枯れてしまったり、土にうもれたりなど・・・  さまざまな条件下で、やっとできるのが、沈香なのです。  さらに、沈香となれるのは、25〜60年は生きた老木でないとムリとのこと・・・。  沈香はこのように、とても採取が難しいお香です。  採取っていっても、いろいろなカンに頼るしかないというのですから・・・  どんだけ貴重やねん!それから、病気の木が沈香になるんかい!健康体はどやねん!!  ・・・と、ついつい、怒ってしまいます。  だから、沈香は高価なんです。ちょっと割高になってしまうんです。    なので、沈香のお香がほしいなら、これがオススメです!  かゆらぎ 沈香 1050円  オススメ度★★★☆☆  いまどき1050円とは、なかなか安いですよ。  雑誌、週刊誌買うよりよっぽど価値があります。  ただ、40本しか入っていないので、1日2本焚いてしまうと半月ちょっとでなくなるっていう・・・  でも、いいリフレッシュになります。大好き!  それに、同じ香りばかり焚くと飽きてしまいますし、他のお香と合わせていると、大切に使えば1年もちますよ。  ・・・ほんとに。  「そこに、それがある」だけで、安心できるという効果だってありますから、そういう意味でも安らぎが得られますね。  ちょっと、図書館で小説借りるなどして週刊誌ガマンして、これを買ってはいかがですか?  ちなみに、中に紙のちょっとした説明書チックなものも入っています。  その紙にまで沈香の香りがしみついて、これがもうもう(笑)  あと、これ。  かゆらぎ 沈香ギフト3点セット 3150円  オススメ度★★☆☆☆  あえてオススメを低く設定したのは、なぎはこれを買ったことがないからです。  これは、上のとは違って、コーンタイプが入っています。  それから、香炉灰。  そしてなんと!香炉がついているってんですから!  実は、狙っていたりします(笑)  どうせ、いい香りなのは知っていますから。  両親の結婚記念日にこっそり買って、渡してあげたら喜ぶかな・・・  「で、結局お前が焚きたいんやろ?」  と言われたら反論できないんですけど(爆)     だって沈香ええんやもん!    木の病気のおかげであの香りがするんです。  かわいそうですけど、おかげで私たちはいい香りに包まれてしあわせになれるんです。  そう考えたら、万々歳!    自身が病気でも、私たちの病気に役立ってくれる・・・!  いい香りで気持ちが穏やかになって、病気が軽くなったり治ったり、決してない話ではないでしょう?  入院されているお知り合いがおられ、個室で入院されているようでしたら、これをプレゼントしてもよろしいのではないでしょうか。  そして産地ですが、もちろん日本では産出されません。  インドのアッサム地方、デカン高原、ミャンマー、ベトナム、タイ、マレー半島、中国南部などで産出されます。  ところで、こんな言葉はご存じでしたか?  私はこれらを調べるうちに偶然知ったのですが、江戸中期にこんなことばがさかんに使われたそうです。  「沈香も焚かず屁もひらず」  沈香のような香木も焚かないが、屁もひらない(うちらのところでは、屁をこくって言ったなぁ)。  つまり、目立った長所はないが、特に短所も欠点もない。凡庸、平凡。  そんな意味だそうです。  ・・・お香に対して屁をもちだすとは・・・(笑)  江戸っ子根性はすごいですなぁ。            ところで先ほど、「香木は木そのものが香るのではない」と書きました。   でも、木そのものが香るものもちゃんとあります。    ひょっとして沈香以上に有名ではないかとおもわれる、そう、白檀です。  ビャクダンと読むこの木、栴檀(センダン)とも言います。  これは木そのものがあま〜く芳しく香る香木です。  一本の白檀でも、「心材」いわゆる中心部は褐色で、なまめかしい香りが強く、これが高級香料となるそうです。   ただ、最初からこんな風に芳しい香りかというと、そうではありません。  沈香と同じで、老木でないと香りはしません。40〜50年は必要だそうです。  白檀の木は、ビャクダン科の常緑の中高木で、なんとこの木、寄生植物です。    ・・・なんていうか・・・  沈香は、キズや病気から樹脂が染み出て・・・ってなって、そこから香木になっていくわけですが・・・  ビャクダンは、そのものが寄生植物、すなわち病気みたいな存在なんですね・・・  でも、木にとっては迷惑千万なこのビャクダン、人間にはとってもいい木です。  中国で「檀」は「人の生活に有益な善い木」という意味だそうですが、ごもっともです。    まず、香木として、素晴らしい香りをもたらしてくれます。  私がお香にハマったきっかけになったお線香は「ラベンダー」「ひのき」の香りでしたが、これらの次に踏み入れた道が、この白檀だったのです。  まぁ・・・もともとお寺などでの香りが好きだったんですから、ラベンダーより前に踏み入れた道だったとも思いますが。     なぎが大好きなのは、松榮堂の「芳輪」シリーズの、「堀川」というものです。  これなんですけど・・・    オススメ度★★★★★  ちょっと値段が高いのが難点です。  1575円で、入っているのは80本。燃焼時間は20分ちょっとです。  ちっちゃなお香立てもついています。  かなり短いんです!  「おいおい1500円も出させてこれかい」って思いました・・・(汗)  でも、本当に買ってよかった。  松榮堂というと有名な香老舗ですが、有名になるだけあります。老舗なだけあります。  あの甘い香り、華やかな香り・・・  ちょっとマネできないんではないでしょうか?    ちなみに祖母は、「二条」のが好きだそうです。    オススメ度★★★★☆  こちらは1050円です。  ちょっと安くなります。このシリーズは5種類あって値段も5段階に分かれています。  印象としては、値段が上がるほど静かな香り(上品な香り)になっていくような感じです。  つまり、なぎとしては堀川よりは劣るかなぁと感じてしまいます・・・  でも、やっぱりいい香り!  さわやかで清涼感のある、「落ち着きたいな」という時には素晴らしい一品です。  ちなみにこの2つ、お徳用です。  20本入りもあって、もちろん値段もお安いですが、この80本入りがだんぜんお得です!  安いから、と言って20本入りを買ってしまうのはもったいない。  こんな事言うのもなんですが、20本入りなんて買っても意味がないとまでなぎは思っています。   だって、この80本入りの方がずっと素晴らしいですから!    コイル型もあります。  お客様が来られる時などはこのコイル型でもいいのではないでしょうか?  お値段は一緒です。      なぎの野望、このシリーズのあと3種類のお香も揃えることです(笑)  ただ、とっても高いです。  失神するかと思うほど高いと貧乏学生は感じました(汗)  でも、失神してもいいから欲しいなぁ(真顔で)  このシリーズ、すべて白檀の香りをベースとしているそうです。ほんと〜にいい香りすぎて・・・  煙のなかに、幸せみますよ。真剣に。  あとは・・・そうですね、これも好きです。    かゆらぎ 白檀香たて付き 1050円  オススメ度★★★★☆    沈香のところでも言いましたが、この「かゆらぎ」シリーズ、日本香堂の中でもかなり人気な感じです。  もう、まろやかやの!すごいんですホント。  なんかさっきから、「すごいすごい」って連発してますけど(笑)  1050円だして買う価値、あります!さっき書いた「堀川」とは、また違う雰囲気。  もう・・・すごいですね!薬効もあるうえにいい香り!        さらには白檀からは、これはむしろ「ポプリ」ですが、サンダルウッドオイル(白檀油)もとれ、これは殺菌作用に利尿効果があるようです。  ・・・すっご〜い・・・。  昔はお香を「香薬」といっただけありますよね。  さらには鎮痛、解熱、食欲増進、黄疸に喀血、あかぎれ、しもやけにも有効、などなど・・・  まさしく「香薬」の名に恥じない木です。  ちなみになぎは、生まれてすぐの時に黄疸がでて、そのまんま入院していたそうです。  そしてなぎの同級生Mさんは、  「あたしな、生まれてすぐ心臓に穴があいてて、なんか大変やったらしいねん。」  でも彼女、今はとっても健康体・・・  「うん、そやねん。知らん間にふさがっててん。」  ・・・・・・。    ちょっとあなた!どう思いますか!?  心臓に穴あいてた子が、今では勉強もそこそこにふ〜たらバイトしつつ、がっちり通学片道1時間半こなしてるんですよ!  ・・・すごいこともあるものですよね。  さて、話を戻しましょう。  こんなふうに、香りもよく、薬用もバツグンな白檀は、インドでは「万病の妙薬」とされ、さらに「けがれ」をはらう香料ともされていました。  寺院の建築材にも用いられています。  もったいない、ちょうだい!と言いたいですが、そんな聖なるお香を寺院に使うのは、なかなか的を得ていますよね。    なぎも、この香りは本当に大好きです!  少なくともなぎの知り合いで、白檀がどうしても無理な人は一人もいません。  それどころか、ちょっと白檀のお線香の話をもちかけてみると、勢い込んで、  「ええやんな!白檀あたしも大好きや!」  ですもん(笑)    ところで、こんな言葉をご存じですか?  「栴檀は二葉より芳し」  大成する人は幼い頃からすぐれている、との例えです。  逆に「大器晩成」もありますが、ことわざというのは、どうもあべこべな意味のものが多いですよね。  で、あなたはこの言葉を聞いて、こう思われませんでしたか?  「あれ?さっき白檀は老木でないとダメだっていわなかった?」  ・・・はい、そうなんです。  なんか勘違いした日本人が、伝来後間もなくのころに中国人が言っていた「白檀」と「栴檀」をとりちがえたのでしょう。  そういう「勘違い日本語」、探せばどれだけあるのでしょうね?   今回は、最後にもう1つだけお話して、あとは次回にまわそうと思います。  ・竜脳(読み方そのまんま、りゅうのう)  古くから防虫剤、防腐剤として使われました。  日本では、マルコ山古墳という古墳から発掘された、今から1500年ほど前のものとされる棺のなかの遺骨から竜脳の香りが漂っていたそうです。  葬られた人のための防腐剤として使われたようです。  ところで、書道をやったことない、っていう人はほとんどいないと思います。  あなたもやりませんでしたか?  小学校で書き初めさせられる・・・あれです。  なぎはあれが嫌いで嫌いでしょうがなかったのですが、問題は書道の好き嫌いではありません(笑)  その時使っていた墨です。  やけにすがすがしい香りがしませんでしたか?  こう言われて思い出せなくても大丈夫です。  なぎだって、本を読んで記述を見て、「ああそういえば」程度しか思いませんでした(笑)  でも確かに、あのニオイは結構好きだったなぁ・・・  と思っていると、なんとその墨に、竜脳が入っているのです。  この竜脳、スマトラ、マレー半島、ボルネオで熱帯多雨林に生育する竜脳樹(うっわぁ名前そのまんまや(笑))から採れる、白い顕粒状の結晶です。  つぶつぶの白い、頭痛薬か何かのにが〜い薬を連想させる、見ただけで苦味を思い出して背筋が、  ぉぞぞぞぞぞ〜〜〜っ  ・・・とする見た目です(笑)  でもこれ、採集が難しいんだそうです。つまり、値段もはねあがり、高価になってしまいます。  そこで、です。  樟脳、ご存じですか?  12世紀ごろから竜脳の代用品として頭角を現した、竜脳と香りが似ていて、採集が楽ちんなものです。  中国の樟木から製造されます。  以来、衣服の防虫にたくさん使われるようになったといいます。    お香は、万能選手ですね!  防虫効果あるわ、病気に効くわ、その香りでしあわせな気持ちにしてくれるわ・・・  さらに、この樟脳に似ているというお香まで存在します。    ダイウイキョウという、漢字がちょっと変換できないのですが、星形の実を乾燥させたものがあります。  インドシナ北部から中国広西省のごく限られた土地にしか生育しない、シキミ科の常緑樹からできるものです。  少し樟脳に似た、野生味のある香りが特徴で、甘く、かつほろ苦いという特徴があります。  中国料理のスパイスとしても有名で、歯磨き粉の香料にも使われています。  こういう風に、「○○が高価だからその代用」といったようなお香も、結構あるのでしょうね。  かゆらぎ 沈香 1050円  オススメ度★★★☆☆  かゆらぎ 沈香ギフト3点セット 3150円  オススメ度★★☆☆☆    かゆらぎ 白檀香たて付き 1050円  オススメ度★★★★☆       もくじにもどる  トップページにもどる    8・お香のちから〜2〜  ・安息香  「何それ。」  あなたは、安息香と聞いてこう思いませんでしたか?  少なくとも、なぎは全然知りませんでした(汗)  息を安んずる効果がある→安息香  なのだそうです。  去痰剤(きょたんざい)、防腐剤として使われることが多いです。  なるほど、タンをとりのぞけば息もしやすくなりますよね。つまりこれは薬香なのね。  香りの特徴は、「鼻にせまるような甘ったるい香り」だそうです。  香料をまぜあわせるときの、保香剤、安定剤としての役割をもっています。  つまり香りを保って安定させて、香りがすぐにきえないようにする効果があるということですね。    スチラックス属という、なんかよくわからん樹木の幹にキズをつけて、にじみでる樹脂を採取します。  沈香みたいに、樹脂を沈着させるというややこしい事はしなくていいのです!  樹脂は乳白色をしています。空気中にほっておくと、赤褐色のカタマリになります。  カタマリを砕くと、中から薄い赤褐色のものか、白く不透明なものがでてきます。  透明度が高いほど上質です。  透明度が関係してくると、ほとんど「高いのが上質やねんな」と思って差し支えなさそうです(笑)  タイ、ベトナム、マレー半島、スマトラなどの熱帯地方で採取できます。  去痰剤にもなると書きましたが、さらに、解熱剤、腹痛、リューマチの鎮痛剤、慢性潰瘍の治療にも使われるとのこと。  ・・・うん、薬香やねんなぁ・・・    それにしても、お香がお薬になれるなんて。なんて素晴らしいことだと思いませんか?  では次。  ・シナモン  ・・・・・・。  えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?  ってなりませんでしたか?    「シナモンって何?どういうこと?」    「あぁ、そういえばサ○リオか何かのキャラか!」  「白くてかわいいウサギみたいなキャラがおって、それの名前もこれやったな!?」  「てか、お菓子の材料やん!」  「紅茶にも入れたりするやん!」  え〜とですね。  紅茶やアップルパイ(なぎの父の大好物)など、多くの料理のスパイスとしてシナモンは使用されます。  桂皮(けいひ)、ご存知ですか?  シナモンは、これです。  スマトラ、インドなどで産出されるクスノキ科の樹皮です。日本では和歌山県産のものが主流です。  何でここでわざわざ和歌山県産であることまで書いたがですが、桂皮(シナモン)は主に3種の品種があるからです。  あとでじっくり書きます!  ところでこのシナモン(桂皮)、一度お香専門店に行った時にじっくりながめてきました。  まさしく「香木」といった印象を受ける色でしたよ。  しっかりした茶色だと思っていました。  あれが・・・シナモン?あれが〜〜??  本気で信じられません(笑)    葉や根を蒸留し、抽出された油は香料として用いられます。  粉末にしたものは、芳香性(香りがする)の健胃薬、風邪薬、消臭剤(!)、防腐剤の原料となります。  ところで先ほど、3種の品種があると書きました。  以下のものがあります。  1・中国産、シナ肉桂(にっけい)  2・日本産、肉桂(日本桂皮) さっき書いた和歌山が主流のアレです。  3・セイロン産、別名セイロンニッケイ  混同されやすいですが、実は別のものです。  1は、甘味はありますが、ピリッとした苦さ、渋みがのこる、ビターな味です。  香も刺激が強く、薬臭い感じです。  皮が厚くて上質なものを「官桂」、最高品質のものは「大玉桂」というそうです。  日本だって命や魂を「玉の緒」といったりしますよね。  玉という漢字は、上質なものやかけがえのないものを表すのが多いと思いませんか?    それもそのはずで、中国では香料というよりは薬として、それも「百薬の長」として重宝されてきました。  胃薬としての利用が多いそうです。  まぁ、薬臭いって書いたし、そうやろうなぁ(笑)  2は、昔、駄菓子屋さんで売っていたという「ニッキ」「ニッキ水」の鼻にツンとくる香りがこれの正体です。  昔、とあえて書いたのは本でそのような記述があったのと、私の知っている駄菓子屋ではそれがなかったからです。  昔に限る話ではなさそうな気がするんやけど・・・。  あと、有名どころでは京都の八橋です。日本独特のスパイスです!  甘さより、辛さ、苦みが強いのが特徴です。刺激の強い、独特の香りです。  桂皮やシナ肉桂が幹、枝の皮なのに対して、日本の肉桂は、根っこの皮です。    根の太い部分は荒巻(シャケみたい)、その他中巻、小巻、チリチリ(笑)などがあります。  中でもチリチリには、中チリ、上チリ、松葉(いきなりマトモな名前に!)があります。  松葉が最高品質だとか。でも、今ではほとんど産出されません。    3は、まぁサラッといいますと、桂皮です。  肉桂やとかなんやとか言いません。  これは、クスノキ科の樹木の皮をはいで管状に細く巻いたものです。  樹全体に香りがあります。  スリランカを中心とし、スマトラ、インド、マラバル海岸などで産出されます。  ほんま、インド多い・・・  インドはすごいですね。確かに、どこに行っても何かの香りがしてそうなイメージがあります。    ところで、古代文明といえば、なぎとしてはエジプトと中国が浮かびます。  ミイラ作りをしていたのはエジプトですね。  そのエジプトですか、ミイラ作りに、このシナモンが防腐剤として使われていたという記述があるそうです。  残念ながら、3種のうちのどれが使われたかはわかっていません。  でも、ミイラはとても大切なものですよね。  それにお香を使うんですから、改めて古代におけるお香の大切さに感じ入ります。  ・丁子(丁字)  ちょうじ、と読みます。  本によって、漢字が違ったのですが、主に( )内のものが使われているようです。  ただ、パソコンで一発変換できるのが丁子のほうなので、そっちで書きます(笑)  昔の日本女性がつかっていたという「びんつけ油」の香りの正体にして、世界中で愛用されるスパイスの1種です。  アルコールによく混ざるので、石けん、整髪剤によく使われる、強烈で刺激的な香りのアレです。  殺菌作用に、軽い麻酔作用も含むため、歯医者の痛み止めチンキに使われたり、中世ヨーロッパでは魚や肉の防腐剤として、  ・・・料理に使ったり痛み止めに使ったり、万能選手です(笑)  フトモモ科というチョウジの木の花のつぼみを乾燥させたものだそうです。  ・・・咲く前に摘み取られるっていう、ちょっとかわいそうな気もするお香です。  丁子油もとれますが、薬用、粉末にして胃薬、食欲増進、防腐剤、そしてもちろん香料に、本当に万能選手的な活躍です。    もくじにもどる  トップページにもどる  9・想像上のお香  長い文章を読んで、きっとお疲れでしょう。  そんなわけで、ここで、ちょっとコーヒーブレイク!  こんなに古代からお香は大切に扱われてきました。  病気を治すことができるのなら、死者だって蘇らせたいと思ってしまうのは、おろかな人間の人情というものです。  なぎには、今のところそんな人はいないのですが、そのうちきっと、蘇ってほしいと思う人が出てくるでしょう。  地獄先生ぬ~べ~ (11) (集英社文庫―コミック版 (お60-11))   オススメ度★★★★☆  なぎの大好きなマンガです。  「このお香のサイトで、マンガのオススメも何もあるか!」と、あなたはきっと思うでしょう。  しかし、今回は、「想像上のお香」です。  中途半端に完全版の11巻を紹介しているのは、この巻に、その想像上のお香がまさしくドドンと出ているからです!  そのお香の名は、反魂香(はんこんこう)。  返魂香、返正香(はんじょうこう)、驚精香(きょうしょうこう)など、さまざまな呼び名があります。  その効用は、ズバリ、香を焚くことによって故人の魂を呼び戻し、けむりの中に姿を見られるというもの。  もちろん、実在しません。何度も言うように、想像上のお香です。  その昔、漢の武帝が、夫人の死後に焚いた香のけむりの中に夫人の面影をみたという故事から、だそうです。  マンガの中では、そのお香は実際に故人をよみがえらせるものとして描かれています。  それが一体どんな結末をよぶかは、実際に読んで確かめてください!      それにしても、こういったものが想像上であれ考えだされるということは、お香を焚いて供養しながら、  「もう一度でいいから会いたい」  「あのことのお礼がいいたい」  「あんなことをしたお詫びをいいたい」  今も昔も、そんな故人に対する気持ちに変わりはありませんね。  地獄先生ぬ~べ~ (11) (集英社文庫―コミック版 (お60-11))   オススメ度★★★★☆  もくじにもどる  トップページにもどる  お香のちから〜3〜  お香の歴史は、古くは紀元前3000年のメソポタミア文明までさかのぼるといわれています。  「西洋の乳香、インドの白檀、中国の沈香」と言われていますが、そう、今回は最初に乳香についてお話します。  乳香は、南アラビアと東北アフリカのソマリア北部に生育する、ボスウェリア属の常緑高木からとれる芳香性ゴム樹脂です。  常緑高木っていうのも、香木には多いようですね。  採取の方法は、幹にキズをつけるというものですが、採取したばかりのころは、透明な淡褐色です。  乳の色なんてしていません。  しかし、間もなく白く半透明の、ミルクのカタマリのようになります。  水に入れると乳白色の液体となり、まさしくミルク(笑)  甘みと、わずかな苦み、辛さがあり、焚くと優雅な香りがするそうです。  白いけむりとともに、何ともいえない香りがフワァ・・・と・・・  薫香料として使われます。  その他、抗菌作用まであるため、鎮痛、解毒、消炎剤として薬用に用いられています。  現在、オリバナム油が香料として重視されています。  これは、この乳香からとれたもので、今では乳香よりもオリバナム油が重要視されています。    昔むかしの、大切な儀式のときに焚いたということです。  イエス誕生の際にささげられた(BY 旧約聖書)というのですから、きっと相当大切なものだったでしょう。    イエスにささげられたといえば、もう1つのお香があります。  没薬(もつやく)です。  アラビア西南部、アフリカのソマリア北部に生育する、トゲトゲ三つ葉のコミフォラ属という木の樹脂です。    トゲトゲといえば・・・トゲトゲっていう種類の生き物がいるって「へんないきもの」っていう本で読んだなぁ・・・  それのトゲなしバージョンがおって、それは「トゲナシトゲトゲ」になって・・・  さらにそのトゲナシからトゲのある変種がみつかりました。   「トゲアリトゲナシトゲトゲ」っていう、どっちかハッキリしろい、って名前になったとか。    没薬に戻りましょう(汗)(ついつい話が脱線する傾向にあります、私)  乾燥すると樹皮が裂け、その裂け目から樹脂がにじみでて、固まります。  それがそのまんま没薬となります。  今では、人間がわざとキズをつけて、人工的に採取するのが多いそうですが。  樹脂は赤褐色で、焚くと、乳香以上の刺激のある甘み、苦みのある香りがします。  香料のほかには、ミイラ作りの防腐剤、整髪油、化粧品、医薬品としての利用も多かったそうです。  今では、殺菌剤、漢方薬、胃薬に使われています。  名前に「薬」とつくように、お香としてよりもお薬として、今も昔も活躍しています。  今まで、植物性のものを紹介してきました。  お香というものは、一瞬のしあわせを与えて、はかなく消えてゆくものです。  ちょっとでも、長い間、しあわせを味わっていたいと思うのは、それが人情というもの。  地球の西で、東で、人々は頭を一生懸命つかいました。   紀元前3世紀には、すでに、香りを長くとどめておくための方法が使われています。  ギリシア、レボレス島の学者テオフラストスは、小論文の中に、オリーブ油、ごま油をベースとし、油に香料をとかして香油をつくる方法を書きました。   ギリシアの人々は、この方法で、バラ香油を作ったといいます。  今でもバラの香りの香水は人気ですが、きっと原点はここですね☆    やがて、油の代わりに、動物性の香りが使われるようになります。  バラやユリなどの香料は、揮発性が高く、あっさり揮発しておわってしまいます。  それを、この揮発性の低い動物性の香料をまぜることで、より長く、揮発を抑えて香りを楽しむ方法を作り出しました。  動物性香料は、それだけではとんでもなくクッサイです!  そりゃ、生殖器のそばにある何かだとか、結石だとか、くさいにきまってます。  でも、これらを1000分の1ぐらいにうすめると、それは優雅な香りがするとのこと。  香りを保つ以外にも、それそのものを香料としていました。  ヨーロッパでは、これが香水の原点となります。  この香料を、アルコールに溶かす方法がもちいられたのがきっかけです。  香りにかける人々の執念がうかがえる動物性香料、次回からがっつりお話します!  もくじにもどる  トップページにもどる inserted by FC2 system